2025/08/25
睡眠薬の説明②
前回の睡眠薬の説明①に続き、②と題して続けて説明をしていきます。
今回は睡眠薬そのものではありませんが、睡眠に関わる効果のあるものの分類と説明になります。
・抗精神病薬
抗精神病薬は、イライラが続いてしまったり、常に焦ってしまったり、また幻聴や幻覚などの精神症状に主に用いられる薬です。
ドパミン受容体拮抗薬というものになりますが、これの副作用に眠気を催すものがあります。
結果として睡眠の質があがる場合、あげてくれる場合があるので統合失調症の方や気分障害の方、神経が過敏で落ち着かない感じのある方に処方すると、副作用によって眠りを下支えしてくれることがあります。
また、別に説明を行いますが、気分障害(うつ病や双極性障害、躁うつ病等)に対して使用する薬の多くも分類的には抗精神病薬になります。
抗精神病薬が使われているからといって、統合失調症、というわけではありませんので処方を受けられた場合でも早とちりは禁物です。
・抗うつ薬
抗うつ薬と呼ばれるものにはいろいろな種類がありますが、主にセロトニン受容体作動薬が中心かと思います。
抗うつ薬にも副作用的に眠気を催すものがありまして、状況によっては気分障害圏にいない患者さんで、睡眠薬だけでは不十分という方に対して、抗うつ薬を処方すると気分も眠りも改善することが見受けられます。
余談ですが、国民皆保険のないアメリカでは、その昔に抗うつ薬で睡眠作用がある薬を睡眠薬(睡眠薬代わり)として処方し、当時使われている薬の上位を占めていたこともありました。
・抗アレルギー薬
アレルギーに効く薬の中心は抗ヒスタミン薬ですが、こちらも眠気を催すものがあり、睡眠の薬として副次的に使われている場合があります。
睡眠薬として抗アレルギー薬を処方することは、日本の保険診療では認められていません。
ですので、アレルギーに困っている患者さんで眠りの問題がある場合、アレルギーに対して処方を行い、結果としてアレルギーと眠りにアプローチができる、場合があるということです。
処方薬ではなく、市販薬としてもドラッグストアなどで手に取る事ができる薬であります。
多くは抗ヒスタミン薬そのものかベースになっていると思われます。
抗アレルギー薬を睡眠薬として服用することには多くのデメリットがあり、翌日への効果の持ち越しの多さ(翌日の日中ずっと眠い等)、翌日の認知機能低下(翌日の単純記憶力低下等)が挙げられます。
飲み続けることによって、主効果自体が感じられにくくなっていく薬でもあるので、睡眠薬代わりとしての利用はかなりの注意を要します。
しっかりと主治医に相談をしていただければと思います。
・その他
少し脱線するかもしれませんが、歴史的な経緯があり、OTC(市販の薬)で購入できる場合もありますし、使われることもあります。
最近ですと、サプライチェーンの問題からメーカーにとって、その薬を作り続けると赤字になってしまうような薬を製造中止にすることができる許可を厚生労働省が出したという話もありました。
睡眠薬に限らず、薬の種類全体が減ってきている、というのは覚えておいても良いかもしれません。
使える種類の中から、担当医と自分に合った薬を見つけられると大変良いかと思います。
副作用というのは主作用ではない、という意味であって、有害事象や忍容性、安全性の問題とは違います。
副作用=悪いもの、ではないということだと是非覚えておいてください。
副作用で眠気がでる薬は多いので、そういう薬の副作用を利用して、依存性の高い睡眠薬を減らしたりすることはよくあります。
今回はここまでといたします。
またよろしくお願いいたします。