2025/09/08
気象障害、環境心身医学①
気象障害というとみみなれないかもしれませんが最近、あるいはこれからは徐々に知られるようになると思います。
有名なのは低気圧性頭痛です。
西洋医学ではあまり注目されてこなかった領域では中医学や漢方ではむしろメインターゲットともいえるこれらの不調について解説します。
・低気圧性頭痛、気象病、天気痛
雨が降っている時やその前日、低気圧の時や低気圧が近づいてきている時に身体の不調をきたす方がたくさんいます。
昔は低気圧性頭痛として一部で知られていましたが最近は気象病とか天気痛とか言われていて天気のアプリでも頭痛警報として表示されるようです。
特に女性などでは生理が重なるとひどくなります。
生理学や医学では高地や宇宙空間での体の変化として研究されているもので高山病などが例になります。
漢方では「気」「血」「水」という分類の中の水に問題があるとされます。
気圧や酸素分圧の問題などあると血管外浮腫、細胞内浮腫、細胞外浮腫、肺水腫などのサードスペースへの水分の漏出、循環不全などいろいろ起こすことが高地生理学では知られています。
低気圧性頭痛は片頭痛と同じ病態らしいと言われています。
効く薬はあるので使用する場合もあります。
人間は環境外圧が低いのに弱く環境外圧が高いのは強いというよりむしろ調子が良くなる傾向があります。
マッサージなど押されるのは気持ちがいいですし、入浴して調子がいいのも一部は水圧の影響があると思われます。
深海生理では素潜りなどで人間は100m以上潜ることができます。
抹消循環が水圧で減って脳への循環メインになり心臓の負担が減るので潜水や軽い素潜りの体感が好きな人も多いでしょう。
スキューバーダイビングも同じようなものです。
・夏バテ
漢方では夏バテを3つに分けて初期の夏バテ、中期の夏バテ、末期の夏バテと薬を使い分けることがあります。
初期の夏バテは梅雨時期なので上の低気圧性頭痛などに重なります。
東洋思想では陰陽論、あるいは五行論というものがあります。
これは身体や健康に応用できて例えば交感神経と副交感神経を陰陽のように見立てることができます。
夏は陰も陽も活発になる、すなわち交感神経も副交感神経も活発になり、逆に冬は両方小さくなります。
夏場は最初は交感神経優位で活動性も上がりますが、それが疲れてくると副交感神経優位になって後期の夏バテになるという説があります。
イソップのアリとキリギリスの寓話ではありませんが夏は仕事にも遊ぶ(リゾート)にも適している面がありますが、ばてないようほどほどにやっていくとよいです。
今回はここまでといたします。
またよろしくお願いいたします。