職場ストレスについて
厚生労働省の調査によれば、自分の仕事や職業生活に関して強い不安や悩み、ストレスを抱えている人の割合は、6割近くに上ります(平成19年「労働者健康状況調査」)。 職場ストレスは主に下記のようなものからなります。
人間関係によるストレス
職場の人間関係の問題は、今に始まったことではありません。 しかし、近年では成果主義の導入による助け合い精神の減弱、個人で行う仕事の増加などにより、新たなコミュニケーション上の問題が生まれ、いっそう深刻になっています。
仕事量・質の変化によるストレス
雇用形態の多様化や職場のIT化、技術の高度な発展などにより、仕事の量的・質的なストレスに苦しんでいる人が少なくありません。
雇用や将来への不安からくるストレス
かつての日本は、終身雇用や充実した社会保障にしっかり守られ、働く人は将来に向けて安心して暮らす権利を享受していました。しかし、90年代以降はそうした社会状況が崩れ、働く人は将来に対する不安というストレスをかかえるようになっています。
以上のような職場での人間関係、過重労働、将来への不安などによるストレスが原因となって不眠、抑うつ、朝なかなか起きられない、出勤時に吐き気を催す、疲れがとれない、などの症状が出る人が少なくありません。
職場環境が大きなストレスになっている場合は、主治医からの意見書などを会社に提出し、職場環境の調整をしてもらうことで、症状の改善につながることもあります。 職場ストレスによる症状に悩んでいる方は、早めにご相談ください。
あなたの職場での悩みについて話をしてみませんか?
当院は、あなたの悩みに耳を傾けます。一人で悩まずに客観的な意見を取り入れ、問題解決に向けて一歩を踏み出してみませんか。
もし、あなたが職場でストレスを感じたら、チェックしてみましょう。 結果によっては、当院にご相談ください。
ストレス症状について
長期的にストレスを受けている状態、または過度にストレス受けている状態
日常生活でストレッサーを感じると、そのストレッサーを解決したり、ストレッサーによる反応を緩和するために、さまざまな工夫をします。このストレス対処が適切になされている場合に心理面、身体面、行動面のストレス反応はしだいに低下していきます。
しかし、対処能力を上回るほどのストレッサーを経験したり、ストレッサーが長期間続いたりするとストレス反応も慢性化していきます。ストレス反応が慢性化すると、まず活気が低下して、元気がなくなってきます。
この状態が解消されずに慢性化すると、イライラや不安感を覚えるようになります。そして最終的には気分が落ち込んだり、ものごとがおっくうになるなど、いわゆる「うつ」の状態に近づいていきます。
あなたのストレスに気づきましょう!
以下のような症状が2週間以上続く場合には、「うつ」が疑われます。早めにご相談ください。
- 気分の落ち込み、憂うつな気分
- 趣味などが楽しめない
- 体重の減少または増加、食欲の減少または増加
- 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、どれだけ寝ても眠気がとれない
- 気持ちが焦るイライラしやすい
- 疲れやすい
- 価値のない人間だと思う、周りに対して申し訳なく思う
- 思考力や集中力が低下する、決断が難しい
- いっそのこと消えてなくなりたいと思う
ストレスサインと原因について
どなたであっても、多少のストレスは自覚していらっしゃいますが、「ストレスを過度にためない」「ストレスとうまくつきあっていく」ことで日常生活が、困難なく過ごせます。
それには、「ご自身のストレスに気づく」ことが大切です。ストレスに気づくポイントは、大きく分け2つあります。「ストレス症状(ストレスサイン)」「ストレスのきっかけとなる出来事・原因」です。
ストレス症状(ストレスサイン)
気持ち、身体、行動の不調は、ストレスサインのひとつで、これを放っておくと、ストレス性の疾患など治療が必要なレベルに移行する場合もあります。ストレスサインに気づいたら、早めに「相談する」「対処する」などの行動をおこすことが大切です。
以下のような症状が、2週間以上続く場合には、「うつ」が疑われます。早めにご相談ください。
心の症状
- 悲しみ、憂うつ感
- 不安感やイライラ感、緊張感
- 無力感、やる気が出ない
身体症状
- 食欲がなくなる
- やせてきた
- 寝つきが悪い、朝早く目が覚める
- 動悸がする
- 血圧が上がる
- 手や足の裏に汗をかく
行動症状
- 消極的になったり、周囲との交流をさけるようになる
- 飲酒、喫煙量がふえる
- 身だしなみがだらしなくなる
- 落ち着きがない
ストレスのきっかけ
ストレスには、そのきっかけとなる出来事や原因が潜んでいることがあります。そのようなきっかけや出来事が複数重なった場合やストレス原因が長く続いた場合など、不調につながることがあります。
ストレスの原因になりうる要因として、自分がどのような出来事を自覚しているのかに気づくことは、とても大切なことです。
生活上の出来事
- 自分や家族の誰かが病気・怪我・災害などの被災体験をした
- 子どもの進学、夫婦や親子の不和など、家庭内の人間関係に問題があった
- ローンや借金、収入の減少などの金銭問題があった
- 引越しや騒音などの住環境の変化があった
職場での出来事
- 仕事での失敗やミスがあり、責任を問われた。
- 仕事の量や質、勤務時間などが変化した。
- 上司や同僚、部下などと人間関係でのトラブルがあった。
- 昇進や配置転換、転勤など役割、身分の変化があった。
不安や心配が全面に出ている場合には、遠慮なくご相談ください。専門家に相談することで、解決に至る時間が短縮されたり、よりよい解決方法が見出されることになります。