適応障害

適応障害とうつ病の症状は似ています!

うつ病との類似性が高く、軽度のうつ病と区別がつきにくいとも言われます。 うつ病チェックシートで3つ以上当てはまる場合は、貴方の気持ちがつらい状況なのかもしれません。

明確なストレスが分かっている場合、そのストレス原因から3か月以内に症状が現れ、日常生活に支障をきたしている場合に適応障害と診断されます。ストレスのレベルが貴方の許容範囲を超え、限界を越した時に起こります。

うつ病の特徴「チェックシート」はこちら

適応障害イメージ

適応障害とうつ病

うつ病は、「心の風邪」といわれていますが、本来は身体の疾患にたとえると「肺炎」「結核」くらい重症なものです。適応障害こそ「心の風邪」といった表現があっているかもしれません。

適応障害とうつ病の違い

適応障害

ストレスの原因(ストレッサー)から解放されると元気を取り戻す。 例えば、「新型うつ」(職場不適応症)は、職場の人間関係や仕事のプレッシャーなどがストレッサーとなって起こる適応障害で、職場ではうつ病のような状態になる反面、職場以外の場面では通常通りに振る舞えます。

治療:カウンセリングなどに薬物療法を併用することが有効

うつ病

ストレスの原因(ストレッサー)がなくなっても状態がすぐに改善することはなく、治療から回復までにも相当の時間がかかる

治療:薬物療法が有効

適応障害は、ストレス原因の始まりから3か月以内に発症し、ストレス原因の事態が解消されてから、6か月以内に回復するとみなされていますが、環境要因が改善しなくて症状が長引いてしまうことや有効な解決策がない場合は「うつ病」に移行することがあります。

適応障害症状の個人差

適応障害の症状には個人差があります。 よく見られる症状は、以下の通りで「生活面・職業面」での機能障害が見られます。

心に現れる症状
  • 憂鬱さ
  • 不安感、焦燥感
  • 怒り
  • 判断力や思考力の低下 など
体に現れる症状
  • ドキドキする
  • 汗をかく
  • 眠れない
  • 頭痛、めまい
  • 手の震え
  • 食欲不振 など
行動に現れる症状
  • 遅刻が増える、無断欠席・欠勤する
  • 人と会うのを避ける
  • 電話に出られない
  • メールを返せない
  • 暴飲暴食、食事が摂れない
  • 喧嘩
  • 危険運転 など

同じ境遇やその変化にあっても、それをストレスと感じる人と、ストレスを感じない人がいます。例えば、引っ越しや留学、転勤などを楽しむことができる人と、部署移動やクラス替えなどの少しの変化も大きなストレスと感じる人がいます。 このように、何をストレス因と感じるかにより、適応障害の原因となるストレスが異なるのです。

職場で起こりやすい適応障害の原因

容量オーバー
  • ストレス量が本人の対処できるキャパシティを超過する
  • 過労や睡眠不足による疲労の蓄積、異動などで環境や仕事内容が変わった時、職場や環境に慣れて周囲からの期待が増え、仕事が質・量ともに急激に増えるなど
主体性を奪われた場合
  • 価値観やライフスタイルを大きく妨害される
  • 自由裁量がまったくない、分厚いマニュアルで手順がすべて決められている場合など、自主性が発揮できない状態が長時間続く時など
振り回され続けている場合
  • 管理者・監督者に起きやすい
  • 部下が反抗的だったり、逆に依存的だったりする場合、当の管理職がそうした関係性に距離が取れなくなるような人間関係をめぐる事態 目標やノルマの達成に振り回される場合もあり、「昇進うつ病」といった呼び名をつけられることもあります

適応障害について「まとめ」

適応障害は、ストレスに関連して起こる精神的な苦痛や身体症状、自分でもコントロールできない行動の問題が生じ、日常生活や社会生活が困難になる状態です。

職場での配置転換や転勤、過重労働、受験や転校などといった明らかなストレス、あるいは人間関係の亀裂、近親者との死別等によって、抑うつ気分、不安感、体調の異常、不登校、職場不適応、出勤拒否、対人トラブルといった心身や行動など様々な面での問題が引き起こされる障害です。

適応障害とうつ病は重複があり、実際にストレスにより消耗、疲憊がひどくなるとうつ病に進むことがあり注意が必要です。色々なストレス反応(心理反応、行動反応、身体反応)が生じますが、これらは外界からの刺激に適応するための必要な反応です。

ところが、ストレスが過剰な時、個人がストレスに対して脆弱である時に、このバランスが崩れて様々な障害をきたすようになります。

現在のところ、適応障害に対する標準的な治療法は確立されておりませんが、うつ病などの治療法が役に立つと言われています。また、その場合は精神療法が中心となり、原因となっている心理社会的ストレス因子を軽減することが、最も不可欠な要素とされております。

ストレスの原因がなくなれば症状も改善しますが、現代社会では生活のため、ストレスの原因をなくせないことも多く、ストレスと付き合いながらも日常生活や社会生活を維持していくことが必要になることが多くあり、周囲のサポートも大切になります。

適応障害の治療

休養と環境調整が基本

休養と環境調整が適応障害治療の基本になります。不安や不眠などの症状が辛い場合は、対症療法として薬物療法が用いられます。

環境調整は、「ストレス原因を除去する」「ストレスへの抵抗力を強くする」「対処能力を高める」ために、カウンセリングや認知行動療法を行うことが有効とされています。


医師からのメッセージ

適応障害は、文字通り「適応」に「障害」がある病気です。このことを考えると、適応障害は個人だけに問題がある病気ではありません。「適応」とは環境と個人の双方が抱える問題だからです。だからこそ、もし適応障害になられた時にはご自身を責めないでください。

また、私たちの考えでは、誰かひとりが適応障害になる環境とは、そこにいる全ての人にとって居心地の悪い環境です。日々のニュースを見ていてもパワハラやセクハラをはじめとした様々なハラスメント、学校や会社でのいじめや悪質な嫌がらせなどで溢れています。

そのような過度のストレスを受けた時に、適応障害にならない人の方が特別なのかもしれません。もしみなさまが過度のストレスを受けている時には、専門家に相談してください。専門的な知見から、ストレスとの付き合い方や、ストレスへの対処法を教えて頂けると思います。

私たちも医療の専門家として、みなさまが健康で生き生きと生活できることを切に願い診療を行っております。もし体調の変化を感じたときには当院までご相談ください。私たちはみなさまの気持ちに寄り添ったアドバイスをさせていただいております。

また、私たちにはお薬を使わない治療方法もありますのでお気軽にご相談ください。

そして、最後に適応障害の方に私たちからひとつだけお願いがあります。「決して、自傷行為や他害行為をしないでください」。自分を傷つけたり、誰かに当たったりすることで得られるものは何もありません。

もし仮に得られるものがあるとすれば、後悔と虚しさだけです。とても辛い時や悲しい時でも、必ずご自身を大切にしてください。

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